「第19回、渡来銭の宝庫“日原鐘乳洞”の謎について考察」
暫く御無沙汰しました。季節も、読書、物思い、良い時季になりましたね。
平成16年12月の「オークション・ネット」で“日原鐘乳洞出土鐚銭類”の貨幣
の競りがあった。日野は東京都下。水量豊かな観光地で、昭和30~40年
洞窟に穴銭が発見された。中国銭・寛永銭と多岐にわたる。注目は日本鋳の
鐚銭だった。未流通で埋蔵されたので銘文の解析や鐚銭製作の小様鉄銭を
確認する格好な研究対象。しかし鍾乳洞の公園整備で新出土銭は無くなる。
湿気や埋蔵品の選別中に外気も入り状態も劣化が進んだ。このセリは関心
も高く、私共も顧客さんに落札品を納入した。9月、此処を訪れた。JR青梅線
の終点から「東日原」行きバスに乗る。うつらうつらしてると半時間で着く。
休日なので、洞に近い所迄は行かず、「東日原」で降ろされる。30分歩く。
私の近くのは大滝根鍾乳洞。渡仏の際はW・ウエルズの小説に出る様な、
大規模鍾乳洞に入った。曲がりくねった階段ゆっくり降り、地底湖をボートで
走る。モーター付きで走るのだから、かなりの距離だったなぁ。
日本で舟で走るのは見た事無い。蛇行したり、ミミズの様に這うのは体験。
「昔、貨幣出土した場所見られますか?」と入口で聞くと、フアンが来るらしく、
「採掘した場所、わかりますよ」とことなげに言う。摂氏10度ひんやりする。
低い天井に額がぶつからぬ様に腰かがめ棚状の凹部に目を凝らすが仄かな
蛍光灯下では老眼で鮮明に周囲が見えぬ、闇に眼が慣れると階段が見えた。
水琴窟がある、蓋の図は“北周布泉”だ。老いの身はよく冥界の夢を見るが
「三途の河」「死出の山」「賽の河原」「地獄谷」此処の名付けも不気味だなぁ
一廻り約1時間「江戸東京博物館」比すると心身涼しくタイム・スリップを堪能した。
昭和40年、大量の古銭の総量は56万枚、約1屯。
1、無紋鉄銭 一番多く50万枚。2、加冶木等日本銭15000枚。3、北宋銭は
2万枚。4、寛永通宝35000枚。何れも銅銭は溶解、破棄されたもの多い。
オークション・ネットでも上~佳~並品が殆どで「広穿(こうせん)元祐通宝」や
「天下手祥府11枚組」(小様鉄銭1枚含む)等が良いと思った。
皆さんも「日原鋳造銭」(鉄分が多い)「日原出土銭」(他で鋳造されたもの)
渡来銭、寛永通宝、加冶木銭等の日本銭である。皆さんも機会あれば是非
蒐集してみてください。今日は、この辺で。
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